本日は、上野の東京国立博物館で開催中の特別展「やまと絵ー受け継がれる王朝の美ー」を研究会メンバーで見学しました。
【感想】
約240点のやまと絵が一堂に集結した今回の展示は大変見応えがありました。実際、午前中だけでは回り切ることができず、1日中じっくりと堪能することができました。一番印象的だったのは『国宝源氏物語絵巻』です。私が見学した期間は「柏木二」が展示されていました。現在よく読まれている定家本の本文とは異なる本文が書かれていると聞き、平安時代の本文を明らかにする貴重な手がかりであることを思うと感慨深いものがありました。他に面白いと感じたのは12世紀に描かれた『病草子』です。不眠症や眼病治療など、当時の病気や治療の様子が描かれた絵巻です。普段読んでいる文学作品(特に女流文学)には病気の具体的な描写や治療法はほとんど書かれないので、このようなテーマの作品は新鮮でした。
他にも、自筆の『御堂関白記』や国宝の屏風絵など本当にたくさんの作品があり、これだけの数の作品が見られたことは貴重な経験だったと思います。(髙野)
以前からSNSでやまと絵展の広報を目にしており、行こうかなと思っていた矢先に研究会の皆さんと一緒に鑑賞するというお話を頂けたのでとてもタイミングが良かったなと感じます。
『源氏物語絵巻 関屋・絵合、柏木二、横笛』の展示が強く印象に残りました。平安時代の資料はあまり残っていないというお話の通り、この時代の多くの展示は断簡を掛服装に装丁したものが比較的多いことを確認しました。その中で巻子本として現存していることの大切さを実感しました。絵の部分には柏木を見舞う夕霧が描かれていました。徳川美術館に保存されてあったからか保存状態も良く、現物を見たのは初めてでしたのでとても楽しかったです。
また『源氏物語図扇面貼交屏風』も室町時代らしさを感じるピカピカな装丁で、非常に目を惹く展示でした。扇形の料紙に描かれた源氏絵は巻の順番どおりではなく春夏秋冬の順に屏風に貼られていました。巻名が書かれていませんでしたが、自分の記憶と照らし合わせて源氏絵と巻名をいくつか照合できたものがありました。普段の授業では作品の解釈を考える事が主要な学びとなっていますが、そのうえで実物を見ると新たな発見や学びの再確認ができて、鑑賞に奥深さが増す気がします。
『源氏物語』と関係はありませんが、『伝頼朝像』の大きさには圧倒されました。九月に京都の実地研修に行った際も同じことを思ったのですが、京都の東寺や今回の『伝頼朝像』、そして前述した
『源氏物語図扇面貼交屏風』など、視覚から偉大さを主張しようとするやり方はいつも変わらないのだなと思いました。
今回、古田先生を含め研究会の皆さんと特別展を回ることが出来てとても楽しかった出す。私が見逃してしまうところも、先生の説明や研究会の皆さんの気づきで改めてじっくり見ることが出来ました。またこのような展示があれば皆さんと巡りたいと思います。
(斉藤)
あなたもジンドゥーで無料ホームページを。 無料新規登録は https://jp.jimdo.com から