【源氏物語を読む】
『新潮古典集成源氏物語』空蝉巻
P105 L1「寝られたまはぬ」~P106 L3「ながめがちなり」
本日から空蝉巻に入りました。空蝉巻の冒頭は帚木の巻末を受けて始まります。紀伊の守の邸で、寝られずに空蝉との関係で悩む源氏の様子が描写されています。源氏は身分柄、人に冷たく突き放された経験は無く、空蝉にそのような態度を取られたことを嘆き悲しみます。私はこの場面を読み、源氏は空蝉が自分になびかないからこそ気持ちが燃え上がっているのかとも考えました。悲しむ源氏を小君が慰め、源氏は小君に空蝉を重ね合わせます。源氏のことを思いやる小君が可愛らしいなという気持ちになりました。源氏は空蝉に冷たくされてしまい悩んでいましたが、空蝉も源氏との関係で悩んでいました。空蝉は源氏に冷たくしてしまったことを申し訳なく思っていましたが、源氏からの便りも無なかったのです。よって空蝉は源氏との関係はこのようなところで、きりをつけてしまうのが良いのではないかと物思いに沈んでしまいます。
この源氏と空蝉の関係には階層的なものが絡んでいます。階層の違う者同士の恋愛は障害もありますが、それがこの場面の面白さに繋がっているのではないかと思いました。現代でも階層の違う人物同士の恋愛は少女漫画などで描かれたりしています。例えるならば、クラスで一番人気のある男の人と、さえない女の子の恋愛などが挙げられると思います。現代社会において階層違いの恋愛みたいなものを見出すとするのであれば、このような少女漫画を挙げることが出来るのではないかと思いました。階層違いの恋愛というのは、時代を超えて好まれる要素があるのではないかと考え、興味深く思いました。(文責 浅井)
あなたもジンドゥーで無料ホームページを。 無料新規登録は https://jp.jimdo.com から