【源氏物語を読む】
『新潮日本古典集成源氏物語』02帚木巻
P.66 9行目「「さりとも絶えて」~P.71 6行目「うち笑ひおはさうず。」
【感想】
今回は馬の頭の体験談のうち指食い女の途中から、木枯の女の話を経てまとめまで読みました。
指食いの女の話は、女が変わらない男の振る舞いに嘆いて命を落としてしまうところからでした。「はかなくなりはべりにしかば、たはぶれにくくなむおぼえはべりし。」と男同士で雨夜の品定めとして会話している中とはいえ、あっさりとした書かれ方をしているという印象を受けました。そのあとに女が妻として優秀であり、惜しい人を亡くしたという描写についても、客観的で冷たい印象でした。女の優秀さを表現する際、七夕の話があり、当時にあったのかという意見が興味深かったです。
次に木枯の女の話ですが、男が浮気として通っていた女が浮気をしていたという話でした。女性の浮気が描かれるのは個人的に珍しいのかなとおもいつつ、今も昔も男女間で起こることは変わらないんだなぁという印象を受けました。また『源氏物語』以前の話では色好みの男だとしても最後は一人の女性を一途に愛するという展開が多いです。しかし『源氏物語』はそんな男性は一人も描かれず、複雑な男女関係が描かれていることは興味深いと感じました。
最後にまとめとして馬の頭は「すきたわめらむ女に心おかせたまへ。」といい、頭の中将は頷き、光源氏は「いづかたにつけても、人わろく、はしたなかりける身物語かな」と笑った。以上のような三様の男性たちの会話を、女性が物語として描いているという点が面白さであると感じました。
大畑
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