【翻刻】
大正大学蔵源氏物語 桐壺巻
十八丁裏〜二十丁表
(感想)
最初の頃に比べ、大分素早く読むことができるようになってきました。「大」と読みたい文字がどう見ても「犬」と書かれており、驚きました。写本の特性上仕方がないと思いつつ、こういったことから原本の本文が変化してしまうのだなという実感がありました。
【源氏物語を読む】
集成p.39,L5「この大臣の」〜p.41,L5「言ひ伝へたるとなむ。」(桐壺巻最後)
(感想)
桐壺巻の終盤部分を読みました。後に頭中将と呼ばれる人物が登場しましたが、そこにまた左大臣家と右大臣家の政治的なのあれこれが見てとれる部分も面白かったです。一方で光源氏の藤壺への思いが段々と募っていく部分や、左大臣家との関わり方が次の展開へとつながる幕引きとなっていて続きが気になりました。
また、今回初めて桐壺巻を通して読んだことで物語を自分で読むことの意義のようなものを感じました。『源氏物語』は高校の古典の授業や、大学の授業でも触れる機会があり、桐壺巻についても有名な冒頭部分を始め、その内容についても概要は知っていました。しかし、最初から実際に一文一文を読み、光源氏やその他の登場人物の始まりに触れてみると、これまで読んできた『源氏物語』または光源氏への印象が変わったように思います。『源氏物語』に限らず、物語や登場人物の背景を知っているのと知らないのとでは、物語(登場人物)に抱く印象は大きく異なります。また、自分の目で読んで、書かれていること、書かれていないこと、表現の仕方について考えることで初めて気づくことがあるとこれまでの活動を通して感じました。次の巻を読むにあたっても自分で読んで考えることを大切にしながら読み進めていけたらと思います。
文責:髙野
あなたもジンドゥーで無料ホームページを。 無料新規登録は https://jp.jimdo.com から