【源氏物語を読む】
『新潮日本古典集成源氏物語』02帚木巻
P.60 1行目「「よろづのことに」~P.66 9行目「後見たりし。」
(感想)
今回の場面の冒頭では三人の技芸の例を順序立てた後、女心の目先だけの愛情は信頼に置けないものであるという女性論が出てきました。この女性論は馬頭の経験談に基づいています。馬頭は女がいるのにも関わらず、女性の出入りが頻繁にあったので、女は嫉妬をひどく抱いてしまいました。嫉妬に対して、馬頭は不愉快だと感じたようで、女の嫉妬心を人並みにしつつ、口うるささも直そうと計画しました。計画の行動としては冷たい様子を見せるのですが、この行動は女の怒らすこととなり、二人は言い合いになってしまいました。しかし、別れた後に馬頭は女のもとを訪れるのです。
当時は男性が主導権を握っている時代であったと思いますのが、常に馬頭の自分勝手さを感じました。嫉妬にこだわり過ぎているため、女性はつらい思いや不満をずっと抱えていたのではないかと思います。女性は馬頭に好かれようと努力している様子が本文中に出てきており、健気だと思うと同時に、苦手なことも好きな人のためならと努力する姿は現代にも通ずるものであり、共感することが多かったです。馬頭の態度や傲慢な考えが改まるのかが気になったため、これらに着目して続きを読んでいこうと思います。
文:森迫
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